专辑简介
デビューアルバム「やっと一枚目(1975)」から3作目「千羽鶴を口に咬えた日々(1977)」までの中から16曲をチョイスして作られたベスト盤。オリジナルアルバムが入手困難な中、70年代に思春期を通過した連中には、ありがたい一枚だと思います。
音楽に限らず、表現活動の対象になる感情には、「喜怒哀楽」の4つがあるはずです。ところが不思議なことに、こと日本人の大衆音楽の中に「怒」が発見できることは滅多にありません。まれに見つけたとしても、ほとんどの場合それらは、一人称複数の「われわれ」とか「わたしたち」で歌われています。我々の怒り。そんなものが、本当の怒りなのでしょうか。そもそも、その「われわれ」とはいったい誰なのでしょうか。
当時の友川の中には、厳然と、友川個人の怒りがありました。同時にまた、十代後半の私だった私の中にも得体の知れないもやもやした怒りが芽生え始めており、友川の怒りに激しく共感したのでした。薄暗い部屋の中で小さなプレーヤに乗せたLPレコードが回り、友川の絶叫が響く。四畳半ロック。
聞き手を顔色をうかがいながら、計算尽くめで作られる代物があふれかえる今日(←70年代当時もすでにそうでしたが・・・・)、友川かずきがますますまぶしく見えます。