音になって　波になって

紡いでみても

空しく溶けゆく言葉

返事もなく

調子外れの鯨のように一人泳ぐ

何よりも光を恐れていた日々

夏の日差しに見紛う

灼ける前に　亡骸を見つけ出す為に

瞼を閉じて

水底へ沈んで　眠って

誰も近付かないで

夜の孤独だけが私を満たすのならば

優しさじゃなく冷たさが欲しい

デトリタスと共に唄う

音は消えて　波は凪いで

露と消える変光星の末路か

もし私が鯨になれば

同じ孤独を救えるだろうか

迷い子は沈んで　憂いて

明日を諦めないで

貴方は未だ此処に来るべきじゃないのだから

夜明けまで　身を委ねていなさい

やがて陽は昇るわ

月は沈んで　眠って

誰も近付かないで

光と影の中　孤独だけ連れて逝くわ

夜明け前　瞼開く貴方が

水面へ辿り着けるように

デトリタスと共に唄う