静寂の夜を裂いて - 神はサイコロを振らない
混じり気ない水面が
流れる雲を追いかける
君の瞳に映るは碧
酷く静寂な歌を
翠に差し込む木漏れ日が
生命のさえずりと溶け合う
描いた風景画
見に行こう
揺らぐ光が
揺らぐ旋律が
僕を拒む
大気圏の最下層
無色透明の粒が漂う
交差する声は淡白に
酷く鮮麗な嘘を
曇るガラス越しの世界は
変わらず今日も漂白する
砂のように
風に吹かれ
影法師も
沈む太陽も
僕を拒む
吐き出した声は
届くことなく上空に舞う
消えないようにと
此処にいた証
強く描いて
髄の奥まで染みついた毒
白く淡く清らかに塗り直して
パレットの端
あともう少しで
霞む