燥　無愛想な灯り

機械じみた人々の隙間を掻い潜って

色褪せて縒れた外套の袖を少し絞る

焉　不平等な痛み

大人ぶって抑えた反動が何千万回

些細な事でまた速まる心臓　耳を塞ぐ

「何も知らない」と微笑ってkiss me

不意に口を衝いた優しい嘘が

闇を切り裂きますように

零れ落ちて砕けた命を忍ばせて

埃塗れのサンクチュアリ這い出した

いつか描いた幻想の景色は

(青い季節の君によく似た人形の温度は)

モノクロームの部屋の中に消えてった

(遍く濃霧の真夜中に失えてった)

悩　非常識な祈り

猫かぶって求めた衝動も一切合切

封印の代償でまた割り込む実像　頬を抓る

「退屈だね」と嘲笑ってkill me

既に勘付いてた歪なルールが

波を平らげますように

鍵を掛ける　時が満ちる　鬼に化ける

息を止める————————————

「はじめまして」と可笑ってforget me

暗に示されてた細やかな勇気の華が

咲き誇りますように

零れ落ちて砕けた命を忍ばせて

同じ悪魔が待っている場所へ

朽ちて彷徨う魂を携えて

埃塗れのサンクチュアリ　身を賭した

今も夢見る幻想の景色は

(白い季節の君によく似た人形の彩度は)

デイドリームの頭ん中に融けてった

(アナモルフィズムのど真ん中に解けてった)

繕　未完成の調べ

芝居じみた遣り取りの行間を見誤って

色褪せて縒れた外套の袖を牙骨無く絞る