幽闇に目醒めしは - おだちえり
眠りの淵に隠れしモノよ
目覚めの時が今訪れた
腐食の花掻き分けて這えば
虚飾を剥ぐの
両の目見開き
幽闇を見据えよ
いつかは救われると
安らぎ求めていた
だけれどそんな日は
ずっと来ないと
知ることになるのよ
でも私は
眠り続けて花のユメ見る
今蕾が開きます
謡に誘われ開きます
Ah眠りから醒めるの
懼れているのは誰?
雨靄立ち込めては
しののに濡れそぼるの
毛先の雫さえ
とても疎ましく私の心を
掻き乱すの誰かに喚ばれ
観ずる愁い
Ah肩抱き震えます
己が恐怖に震えます
そう戦慄が芽吹いた
おかしなこの躯幹よ
妬み食し憤怒
怠惰色欲傲慢
私は目醒めてしまい
もっともっともっと
もっと激しく
夜は色づきハジメル
蕾が開きます
謡に誘われ開きます
Ah眠りから醒めるの
懼れているのは誰
そう虚飾を脱ぎ捨てて
夜の真妄分け隔て
さぁ幽闇を見据えて
花圃を背にした私