『その身を横たえ、動かない母。その、致命的な結末』
「私が、この手で。――殺したのだから」
『けれど、心は穏やかで。何の後悔もそこにはなかった。
だって、私には、最初から、兄様しかいなかったのだから』
『見つめあう二人、きっとそれは、
何よりも歪で、何よりも純粋な想いの交錯。
繋がる兄妹。二人を止めるものは、もう、何もなかった』
その眼に揺るぎなき意思と熱を滲ませ
真っ直ぐに見つめられる。たったそれだけで。
全てを壊して、喪ったようでも、
何一つ、失ってなどいないと信じられる。
思い返すは、
想い馳せて幾度も重ねた秘密の行為
でも、望むのは。
止めるものも咎めるものもない、完成された世界。
それが叶うというのだから、その手を取ることなど、
何も躊躇うことなどない。
「さぁ、遠くへ、ボクと一緒に行こう」
何処へだって。兄様となら、地の果てでさえ。
辿る先が、けして違わぬように。
重ねる躯は、永遠の証明として。
二人以外、他に何もいらない。
それは、「完成」と呼ぶのでしょう?
きっと初めから壊れていた命だと
省みるものの無さを、改めて思う。
いつかこの全てを、後悔するだろうか?
そんな思いが入り込む余地などなかったのだ。
この先に
待つのは裁きなのか?この身は背徳の悪徒
だが、望むのは。
止めるものも咎めるものもない、完極の最期。
その手が触れた瞬間、思考はそれ以上の一切を、
掴み否定し尽していた。
願いのまま、一歩踏み出せばいい。
本当の意味の明目はきっと、そこにあるのだと。
見据える先が、たとえ違っていても。
重ねる躯は、永遠の証明として。
いつしか、この決断が揺らいでも。
今は、「理想」と呼ぶのだろう?
人は、生まれながらにして、完全でありはしないと、
だからこうして、寄り添いあって、
完成されようとするのだ。
怖れなどない。
その手に、握るナイフに、ただ真っ直ぐ、
返すは永久の愛の誓い。
そうして今、誰にも手の出せぬところへ。
永遠を、抱きしめて。
辿る先。
けして違わぬように。
それを、「完成」と呼び続けた。
見据える先。
たとえ違っていても。
今は、「理想」に埋もれながら――。
『兄と妹。似ているようで、決定的に異なる幸せの形。
それを咎めるなど、誰にできたというのか――?
横たわる二人は、それでも繋がっているのだから……』