うららか - 綺羅 (きら)
うららかな 波に
匂はせし 白妙の雲
あてどなく 繰り返す
涼しき 千代の流れ
あざやかに 滲む
紫の のどけき空を
仰ぎては 侘しさへと
消えいるよな
あれから どれほど
永らえたのか
在りし日 辿れど
風 吹きすぎるだけ
花 月 夢 すべて
この手に返りなむ
穏やかな 波と
遠鳴りし 潮騒の音よ
次の世の 野辺の間へと
伝え給う
山 星 雪 すべて
この目に焼き付けなむ
うららかな 波に
匂はせし 白妙の雲
あてどなく 繰り返す
涼しき 千代の流れ
見渡せば 遥か
彼方へと 通せし空も
やがて来る 瑠璃色の
夜明けの海