妄执のゲルニカ - 初音未来/TaKU.K
一粒を飲み干して
ひととき極彩色の夢に溺れ
二粒を噛み砕き
微睡む耽美な沼で虹を眺む
十の悦舐め回す
奪われた熱の跡を
残さぬように
百の楽貪れば
砕けド晴れぬ
憎しみも楽になる?
閉じ込めた匣を
開けぬように
只蛆や愚者となりて
身を零す
苦い死骸みたいな蜜の味
上塗りしていく恥も知らずに
ああ仕舞えない
桜の肌の温もりを
ああ逃せない
誓いを交わす声を
ああ逃れたい
赤黒く染まりし記憶
塗り重ねて色を潰れて
眼は黒へと沈む
瘦せこけた頬に漥んだ目
妖を模したような寂の果て
げに恐ろしや
水面の痴鈍
己が罪を逃れて絶えるなど
飽く無き欲が湧き上がれば
又虫や腐者の如く這い回る
辛い痛い得たいと哭く心
逃れた罰が
注ぎ込まれていく
のたうち回る
ああ憎らしい
穢れた肌に突き刺した
ああ煩わしい
ザラつく声で達した
ただ虚しい憂さ晴らし
醜態の身を晒し幹き笑う
過去の一幕
色濃く脳の髓を浸す
裂けぬ肌を搔いて
枯れぬ声で鳴いた
然れどがのを巡るような
満たし満たされていた
ささやかな暮らしへ
戻りたい戻れないが
繰り返される
明けぬ夜の中で
果てぬ悪夢を見た
幾度捲り捲れば
終わるだろうか
逃れる術は無く
向き合う肝は無く
埋められた理性感性
ああ分からない
初めて触れた肌のこと
ああ分からない
寄り添う誰かの声
あァわからないワカラナイ
かなしみとはナニ?
朧の目に映るもの無し
二度目は抜け殻となる
嗚呼二つの器が
満たされることはない