上村叶恵 - ある晴れた日に
ある晴れた日に
お陽さまの
呼ぶ声がして
暗い階段を駆け上がり
ドアに手伸ばした
広がる屋上遠い空
フェンス越しの風
鮮やかに染まる
深呼吸「綺麗だな」
張りつめていた糸が
ふっと緩んだ瞬間
こぼれ落ちて夕陽が滲む
浮かぶ雲のように
私も空に預けて
固く結んだ髪をほどいた
目を瞑っても
感じる光の温もり
人の優しさも
こんな風に
温かいのだろう
伸びた影の先
すれ違った
あの子も今ごろ
きっと同じように
大空を駆け巡る
風に吹かれるだけで
遠くを見晴らすだけで
流れ落ちて整うように
絡まっていた心
少しずつほどけてゆく
遠くの声が届きだした
張りつめていた糸が
ふっと緩んだ瞬間
風と心は触れ合う
ほどけたこの心で
あなたの元へと向かう
そっと
背中に手を伸ばした
人はそうやって
歩き続ける
ある晴れた日は
同じ空同じ思い