カシアスのオセロゲーム - 秦基博 (はたもとひろ)
僕のお父さん今日も帰ってくる
何事もなかった様な顔で
青い目をした
神様の絵を描いて暮らしている
僕のお父さん
僕のためにいろんな食べ物を
買ってくる
肌の色の違う
神様の絵を描いて買ってくる
街では今日も
オセロゲームの様に
黒が白に塗り潰されていく
でもそれはゲームじゃない
友達が次々に消えていく
退屈なリズムただ刻まれて
蝶のように舞い
蜂のように刺していく
いつからだろう
俺の拳の前に嘘のように
金が積み上げられていく
空腹は満たされて
いつしかこの名前も
かすんでいく
街では今日も
オセロゲームの続き
黒も白も塗り潰されていく
灰色の雲が
この腕を下ろすように絡みつく
大切なものはただ奪われて
それでも一人立ち続けている
いつの日だろう
栄光の中に身を置き
眩いあの場所から去ったのは
いうなれば今は影
ただただ震える手を差し伸ばす
この世界中でオセロゲームは続く
やがて誰一人としていなくなる
そんな未来横に
ずっとずっと昔のこと思い出す
大切なものをただ守りたくて
それだけでただ生きてきたのに
手を差し伸べてみて
ねぇdad嫌いなんかじゃないんだよ
ねぇ痛みなら捨ててねぇねぇ
それはそれとして
もう忘れるとして
どうせ水の泡のように
消えるのだから
僕のお父さん僕の名を呼ぶ
青い瞳の神様の祝福を受けた
この名で幼い僕のこと繰り返し