Mirage of Mind - ハム/F９ (きよの)

長い長いまどろみの時が動き出す

ゆらりふたり潤んだ目と

声が 呼び覚ます

夢は 夢で 過ぎたことでしょう？

大切なものは

ここにあるものだけでしょう？

見慣れた場所と世界の中で

無くしたのは

どんなものだろう？

胸に刺さる何処かの記憶が

舌に溶けて渦巻くの

閉じ込めた言葉では

伝えられなくて

交わす音はひとつずつ

時を打ち明けて

ぼつり ぼつり

広がるのは黒く滲みのよう

嫌よ嫌よこのままでいてよ

こんな想いはもう

したくないでしょう？

そうでしょう？

夢で見てたあの子の名前を

呼び続けた 歩む先へと

思い返す何時かの記憶が

胸で焦げて 渦巻くの

例えそれが 時の中で

錆び朽ち果てても

大切なものはもう

ここにあるものだけでしょうほら

飲み込まれそうな心の中で

見つけたのは 夢か現か

背中あわせの鏡のように

交わることのないもの

涙ながら崩れ落ちてゆく

影の先は 同じ面影

曖昧なまま過ごした先は

救いのない悲劇かな

戻れない時の中身を任せたまま

かすれゆく

この声が届きますように