カガリビト - millstones (ミルストーンズ)
詞:millstones
曲:millstones
静まり返り
眠る街を駆けゆく
吹き抜け踊る
風に乗り夜の淵へ
輝く月がその横顔を捉える
冷たく光る左手は何を掴む
解れゆく世界の
欠片をひとひら
意思の火を片手に縢り歩く
終わりなど見えない
仕組みなのだから
問う事は諦め一つ一つ
絓糸途切れ
気付けば唯一の針
縋る事さえ
許されずに膝を折る
水面に映る
ツギハギだらけの身体
空蝉に問うこれは夢か幻か
くたびれては眠り
赤い夢を見る
篝火は倒れて
空を焦がす
急き立てられるように
ゆらり歩き出す
孤独な太陽の様に
繰り返して
繋ぎ止める全ての火を
澄み切った青空
岩陰にもたれて
頬撫でゆく風は
「おやすみ」と呟いた
解れ解れ欠片に戻る
現世の記憶は
霧散の瀬戸際を未だ見ず
辛うじて留める形を繋ぐ
敢え無い魔法は
掛け替えの無い命の影
動かぬその右手には
クチナシの花束を
地に返る魂に捧ぐ餞
残された世界には
縁なしの絶望と
願わくば暫くの永遠を