食物が連なる世界 - Sound Horizon (サウンドホライズン)
詞:ROMAN
曲:ROMAN
思えば私は幼い頃から
おおよそ人より
食の細い子でした
お肉の応えと
匂いが苦手で吐瀉し
よくイジメられた
そんな私を いつも
助けてくれる女子がいて
月のように優しい
微笑みが素敵な
大切なシンリュウだと
思っていた
思えば私は
思春期の頃から
その割りに人より
発育の良い娘でした
トロいくせに巨乳で
野菜ばっか食んで
牛かよと
よくカラカわれた
そんな私を時折
庇ってくれる男子がいて
月のように優しい
微笑みが素敵な
彼女が鬼のような形相で
ウザいんだけどッ
アンタみたいなダサい女
助ける私は天使みたいって
そんな引き立て役の
筈だったのに
醜女が
無駄に色気づいた
肉体を使って
誘惑しないでよ
勘違いして調子
コかないで
この女は何を喚いて
いるのだろう
嗚呼何て欺瞞で
吐き気がする世界だろう
滲む夜の影で
星が嗤う
それからの私は
人間不信に陥り
心を固く鎖して
独りきりの世界で
誰も寄せ付けずに
何も受け入れずに
生きてた
けど
男性に出逢って
幾つもの季節を重ね
真実の愛は在るんだと
運命は在るんだと
やっと思えた
そして
始めて結ばれた
朝の光
私は生涯忘れないでしょう
抱きしめて抱きしめて
これからは貴方と二人
いえと三人で
生きてゆこう幸せの中を
良いことばかり
じゃないけれど
悪いことばかりでもない
なんて
そう思った時もあった
けれど結局人生なんて
ろくなものじゃない
待ち望んでた
我が子には
とても致命的な
障碍があった
白い壁の中
寝返りひとつ打てず
鎖のような
繋がれたまま逝った
星屑を集めるように
朽ちてゆく世界に
望まぬまま
産み堕とされ
人生の悦びなど
知らぬまま
果たしてあの子
幸せだったの
ごめんなさい
嗚呼何て無力で
救いのない世界なのに
騙り出した
からだの支持
この光の裏切って
絶望の淵さえ
輝かせる
見せ掛けは
何て綺麗で
吐き気がする世界だろう
朽ちる夜の影に
星が踊る
否定する
食への執着に
比例する
生への嫌悪感
煌めく罪を
抱いた星の砂
こぼれる窓辺
一羽の夜鷹
その頃の妻は
物語を生きてきた
その意味を
自分をだます
ように
言い聞かせるように
何度も繰り返した
嗚呼
心身共に
衰弱してゆく君を
この現実に連れ
戻さない事が
優しさの皮を被った
それ以外の
何かだとしても
唯
君には最期まで
笑って居て欲しいと
願った
草を食む虫は飲まれ
その蛙を飲む蛇も食われ
その鳥を食う鷹は空を
どこまでも高く
自由に飛び去った
遠くで鳴り響いた銃声
屠った彼も
いずれは死して
土に還る
彼らを繋ぐ
鎖で編んだ
ピラミッドには勝者など
誰もいないと
気付いたの不意に
光の中で
命の萌える
このちの中で
あのちの廻る
音を聴いた
ここにいたの笑って
いたの
私は生きているし
生かされている
今日からは沢山食べよう
この生命を無駄にしないわ
生と死が輪になって
廻るのなら
何度だって
あなたを産めば良いのだから
やぁ
あなた
今日は顔色が良いみたいだね
あらそう