4.2.3. - 中岛美雪 (中島みゆき)
词:中島みゆき
曲:中島みゆき
编曲:瀬尾一三
Drums:山木秀夫
E.Bass:メッケン荻原
E.Guitars:西川進/Micheal Thompson
A.Piano:Jon Gilutin
Keyboards:瀬尾一三/小林信吾/Jon Gilutin
Programming:浦田恵司
Recorded by:加藤謙吾/David Thoener
Assisted by:三浦健介/礒脇嘉徳/Michael Scotella
Studio:One Voice, Burnish Stone, Epicurus, Ocean Way
Mixed by:David Thoener at Burnish Stone
Assisted by:Michael Scotella
食べていくための仕事に
ひと休みして
私はTVをつけた
眠らぬ旅のあれこれを
生まれた街で癒そうと試みていた
明日にはこの街にも
雪がちらつくだろうと
季節はずれの
天気予報が流れていた
明けきった5時半の空に
目を細めて
チャンネルを変えた
中継という文字
そして私の瞳に
爆風が噴きつけて来た
長い間に見慣れてしまっていた
白く平たい石造りの建物から
朱色の炎と石くれが
噴きあがる瞬間だった
ゆらゆらと熱のかげろうはあがり
やがて白い煙から
土色の煙となって
建物から噴き出していた
昨日までと今日は
違うものなのだと
人はふいに思い知らされるのだね
蟻のように黒い人影が走り込む
身を潜める 這い進む 撃ち放つ
どうせTVの中のことだと
考えることもできず
考えないわけにもいかず
ただ私は
誰が何を伝えようとしているのか
それだけに耳を傾けた
それだけに耳を傾けた
大きな救急車が扉を広く開けて
待ち構え続けている
担架に乗り 肩にかつがれ
白い姿の人々が運び出される
日本人が救けられましたと
興奮したリポート
ディレクターの声も
エンジニアの声も
いり混じっている
人質が手を振っています
元気そうです笑顔ですと
リポートは続けられている
その時ひとかたまりの
黒い姿の人々が
担架を囲んでとび出して来る
リポーターは日本人が
手を振っていますとだけ
嬉々として語り続ける
担架の上には黒く煤けた兵士
腕は担架からぶら下がり
足首がグラグラと揺れる
兵士の胸元に赤いしみが広がる
兵士の肩に彼の銃が
ためらいがちに
仲間によって載せられる
担架はそれきり全速力で
いずこかへと運び出されてゆく
日本人が元気に
手を振っていますと
リポーターは興奮して伝え続ける
黒い蟻のような
あの1人の兵士のことは
ひと言も触れない
ひと言も触れない
日本人の家族たちを
喜ばせるためのリポートは
切れることなく続く
しかしあの兵士にも
父も母も妻も子も
あるのではなかったろうか
蟻のように真っ黒に煤けた彼にも
真っ黒に煤けた彼にも
あの国の人たちの正しさを
ここにいる私は測り知れない
あの国の戦いの正しさを
ここにいる私には測り知れない
しかし見知らぬ日本人の無事を
喜ぶ心がある人たちが何故
救け出してくれた
見知らぬ人には
心を払うことがないのだろう
この国は危い
何度でも同じあやまちを
繰り返すだろう
平和を望むと言いながらも
日本と
名の付いていないものにならば
いくらだって
冷たくなれるのだろう
慌てた時に 人は正体を顕わすね
あの国の中で事件は終わり
私の中ではこの国への怖れが
黒い炎を噴きあげはじめた
4. 2. 3.
4. 2. 3.
日本人の人質は全員が無事
4. 2. 3.
4. 2. 3.
4. 2. 3.
4. 2. 3.