月光照らすはシリアルキラー - 凋叶棕 (without leaf)
ちょっとそこのお譲サン
愛を語りまセンか
月夜にめぐり逢ったこの縁に
流麗蒼美の瞳
月夜照らす銀の髪
今宵の誰よりも
輝いております
昨今夜な夜な現る
夜霧の幻影の恐怖が
もしも貴女を脅かすならば
僭越ながら私
愛の語らい序でに
貴方の行先へ
お供致しましょう
Ah嬉しいわ
今宵私のお相手は貴方
ねえ過ごしましょう
蠱惑的で幻想的な一夜を
出会いは唐突ながら
月明かりの下惹かれ行く
月夜に飢える昏い
眼をした狼の気配は
押し付けがましの愛は
今宵も向かう先を探す
その仮面の下に
気付かれることも無いままに
今宵も獲物を求め
草木も眠る夜更けに
外を出歩く貴女
そもそも何処へ
お出ででしたか
どうかお気になさらずに
淑女の秘密を暴くのは
紳士にあるまじき行いではなくて
月の綺麗な夜こそ
気をつけなければならないさ
夜な夜な現れる殺人鬼に
月の照らす静寂に
騒ぎ立てる者こそ
消えて亡くなれば
よろしいのではなくて
Ahイケナイよ
殺人鬼を悪戯に
駆り立てる言葉
ねえ怯え惑う者にこそ
殺人鬼は現れるそうよ
出会いは唐突ながら
月明かりの下惹かれ行く
月夜に飢える昏い眼をした
狼の気配は
深まる夜のしじまに
霧満ちる都市の灯の中で
男と女は踊る
互いに狙いを定めて
今宵も獲物はそこに
Ah人気も途絶えた
暗い通り午前二時過ぎ
月を背に殺人鬼は
牙を剥いた
出会いも唐突ならば
別れも刹那の出来事
月夜に嗤う紅い眼をした
狼の姿は
月を映すナイフを手に
佇む殺人鬼
けして満たされること無く
やがては再び彷徨う
今宵も獲物は何処に