幻 - 綺羅 (きら)
はらりはらりはらはらはらり
とめどなくつもる寂しさ
睦月卯月月水无月
いよよ君恋し
泣かせた数多の夜を
悔いてまたがほろ
はかなきうつせみの世と
胸いたく口惜しく
夢とうつつゆきつもどりつ
在りし日の幻慕う
はらりはらりはらはらはらり
命剥がれ落つ
あるじをなくした庭に
今年も撫子がさく
色をなくしたこの世に
長らえる甲斐もない
そこはいづこ
ここは虚し
手を伸べてもなぜ迎えに来ない
はらりはらりはらはらはらり
雲にその行き方を尋ね
はらりはらりはらはらはらり
今日も泣き暮らす
睦月卯月月水无月
はらりはらりはらはらはらり