专辑简介
抜群の歌唱力と美貌で一世を風靡した{ちあきなおみ}の回顧録シリーズだ。演歌系からポップスまでさまざまなジャンルの曲を取り上げ、その軌跡をたどるとともに魅力をクローズ・アップする。
ちあきなおみのキャリアの中でも、ひとつの到達点として位置づけられるアルバム「あまぐも」。
オリジナルの発売は78年ということで、現時点(2007年)で29年もの月日が経ってることになります。
作家人に起用されたのは、「酒と泪と男と女」で知られる河島英五、アーティストの友川かずきの二人。
前者の作品を前半の6曲、後者のそれを5曲にまとめそれぞれの世界観をたっぷりと披露してくれています。
ミッキー吉野を中心とした、後にブレイクするゴダイゴのメンバーが演奏をしているため、音は完全にロックのそれ。
それもすごくタイトなプレイで、今聴いてもまったく古さを感じさせないのが秀抜。
当然、「サウンド」を仕切っているのは完全にミッキー吉野ですが、「よし、これでいこう」と最終的なOKを出すのはやはりちあきなおみ。
これまでの作風とはまったく違ったものにでも考えを持ち、そして自分の可能性を広げるためには「どんなことだってやってやる」という姿勢がここでも見て取れます。
センスが良いとか悪いとか、そういう次元の話しではないのは明白。
ここでの彼女の歌へ取り組む姿勢は、真摯な、というよりも戦場へ向かう兵士のごとく、士気揚々とした緊張感と周りが見えない故の怖いもの知らずな「恐ろしさ」をも感じさせます。
今、僕ら若い世代に憧れを持たせる所以がこういうところにあるのではないでしょうか。
後世に語り継がれることになった「夜へ急ぐ人」を筆頭に、個人的に彼女のベストに上げたい「夕焼け」、「普通じゃない」「視角い故里」「男と女の狂想曲」などなど。
一筋縄ではいかない曲がずっしりとその存在感を放っています。
このアルバムを聴いた人、ほぼそのすべてが魅力にとりつかれているように、このアルバムには「これまで経験したことのない何か」があるのです。
声を変え、音を変え、雰囲気を変え、そして性別をも変えて魅せる、ちあきなおみのアルバム「あまぐも」。
現在の日本のポピュラー音楽、また商業作品とは一線も二線も画す、稀有な一枚だと思います。